2015年3月2日月曜日

糖尿病網膜症 視力が落ちてかすむ

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糖尿病網膜症とは

糖尿病が原因となって網膜に起こる障害です。

糖尿病になると、血液中のブドウ糖が過剰になり、血液の粘性が高まります。すると血液の流れが悪くなり、詰まりやすくなって眼や腎臓をはじめ全身のいたるところにトラブルを引き起こします。

なお、糖尿病の3大合併症といわれているのは、網膜症、腎症、神経障害です。


糖尿病網膜症が起こる仕組み

第1段階「単純網膜症

網膜には無数に細かい血管が張り巡らせていますが、糖尿病になると血管がつありやすくなるため、酸素や栄養が届かなくなります。この段階は単純網膜症という初期段階で、毛細血管の一部がこぶのように腫れる毛細血管瘤、点状・斑状出血、血管から血液成分が染み出てできる硬性白斑などが現れます。

この段階で自覚症状はありませんが、ものを見る中心部の黄斑部に病変が及ぶと、かすみがひどくなったり、ものが歪んで見えたりして、視力が低下することがあります。

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第2段階「前増殖網膜症

さらに進行していくと、網膜の細い血管が詰まって、網膜の一部に虚血状態が生じます。
そして増殖網膜症へ移行する危険な状態になります。

出血や硬性白斑が増えて、虚血部分に軟性白斑、血管が拡張するなどの血管異常などが現れます。自覚症状は黄斑部に及ばなければあまりありません。

第3段階「増殖網膜症

さらに進行すると、網膜の虚血を補うために、網膜に新生血管が発生して、硝子体へと伸びていきます。この新生血管が発生した状態が増殖網膜症です。

新生血管はとても脆く、破れやすく、硝子体出血を起こします。また、新生血管とともに増殖膜が形成され、この膜が収縮するともう泣くが引っ張られて網膜剥離を起こします。

硝子体出血や網膜剥離が起こると、飛蚊症や視力低下などの症状が現れ、放置しておくともうなく剥離や緑内障などを原因として失明してしまうことがあります。


糖尿病網膜症治療法

血糖コントロール

糖尿病網膜症の治療の基本です。

薬物療法

止血薬、血管拡張薬、循環改善薬などの投与がありますが、確実に有効は薬品はありません。

網膜光凝固(レーザー治療)

血管の障害で起きたむくみを軽減し、新たな出血や緑内障などの重篤な合併症を抑えるのに効果があるとされます。

ただ、糖尿病の長い経過の中での改善や進行予防を目指したものであり、短期的に視力が回復するとは限りません。

硝子体手術(レーザー治療)

硝子体出血や網膜剥離が起きた場合には、硝子体手術が行われます。この手術や特殊な器具を眼内に差し込んで、手術用顕微鏡で確認しながら混濁した硝子体を切除し、増殖膜を切除して、はがれた網膜を復位させる手術です。

ただ、手術の目的は悪化を抑えて失明するのを防ぐことなので、手術が成功しても、それほど視力が回復しない場合があります。

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